以前はドSな手術室ナース。今はM気味な外来ナース。しかし家に帰るとにゃんず3匹を溺愛する、妄想好きのオタクな女の古(←こ)なのよ〜。2011年からの乳癌治療の話もちょっとだけね。
2015-02-28 (土) | 編集 |
今週は、合同メディカルカンファレンスに参加する機会を得た。

今回のテーマは『乳がんにおける集学的治療』

3人の医師が、
それぞれの自施設での取り組みを発表した。

①多職種連携を行った転移再発乳がんの1例
40代の女性。
平成13年乳がんに対して乳房全摘術を施行した。手術後6年と11ヶ月で気管前リンパ節に再発所見を認めたため平成25年まで化学療法、放射線療法を施行。同年、両側胸水貯留を認め入院加療を行った。脳転移を認め現在も入院中であり、緩和医療科を筆頭に各科、各部署と連携し診療を行っている。


この患者さんの治療について連携しているチームは、
・緩和医療科ー現状の評価、症状緩和
・消化器内科ー消化管内視鏡検査
・呼吸器科ー胸水の評価、コントロール( CART施行:採取した胸水を濾過濃縮し点滴にて栄養分のみ再び身体へもどす治療
・リハビリテーション科ーリハビリの計画、実施
・整形外科ー骨転移病変の評価
・脳神経外科ー脳転移の評価、手術適応の判断
・腫瘍放射線科ー転移巣の評価、放射線療法の実施(全脳照射、小脳boost)

乳がんが再発転移すると、転移した部位によって様々な身体症状が現れてくるが、その症状に合わせて多職種が連携することにより、患者さんのQOLを維持しつつ療養することができているという報告。






②ホルモン受容体陽性乳がん患者に対する術前内分泌療法における集学的治療
当院では、閉経後ホルモン受容体陽性乳がんに対して臨床試験の範疇で術前内分泌療法を行っている。それにより乳房温存率が向上する効果を認めており、またKi-67の変化をみることで、治療の効果を確認できる可能性が分かってきた。同意があれば閉経前乳がんに対しても術前内分泌療法を行っており、一定の効果を認めている。手術を待っている術前治療中は、手術先行症例に比べ時間的余裕があるため多職種がかかわりやすい。また、内分泌療法の治療効果をあらかじめ把握した上で、術後の有効な集学的治療を開始することができる。

集学的治療を行うにあたって、術前内分泌療法が有効だったという報告。
術前内分泌療法をタモキシフェン31例、レトロゾール74例、男性1例で比較。





③乳がん脳転移症例の検討(脳外科との連携を中心に)

2001年から2012年までに当科で経験した脳転移症例11例について検討した。全例女性で平均年齢は47歳(34〜65歳)。このうち脳外科で治療を受けた症例は6例であり、腫瘍切除が4例、γナイフが3例に施行されていた。脳転移判明から脳外科治療までの期間は平均18日(3〜49日)と敏速な対応が目立った。脳転移判明後の平均生存期間は685日(19〜2577日)で、11例中3例は現在も生存中である。この3例はいずれもHER2陽性例で分子標的治療が行われており、脳転移以外の転移巣のコントロールが良好な症例で長期生存が得られた。

201502262235094da.jpg

脳にはバリア機能があり、分子標的薬ハーセプチンはその分子量が大きい為、脳のバリアである血液脳関門を通過しないと考えられており、脳にはハーセプチンは届かない=脳転移にはハーセプチンは効かないと考えられていた。

2015022622351020e.jpg

しかしこの発表をした助教授は、この長期生存症例について、
『なんらかの作用によりバリアが壊れて、脳にハーセプチンが効いている、と思わざるを得ない』と話していた。

201502262235124bd.jpg

脳転移治療後、7年以上も無再発を維持できており、今も歩いて病院受診出来ているとの事。




上記の症例のように長期生存出来ている、決定的な理由とはなんだろう。
もちろん、分子標的薬がその人にピッタリ合ったのだろう。

分子標的薬の開発はめざましい。
しかし、HER2陽性でもハーセプチンが効かなく、術後すぐ再発してしまう乳がんもある。
またトリプルネガティブ乳がんと言っても、抗癌剤が著効するタイプと、殆ど効かないタイプなど様々で、各個人の癌のサブタイプを細かく分類し、それぞれの詳細なサブタイプに合わせたオーダーメイド分子標的薬が開発され治療が可能になれば、上記の症例のように長期生存が、いや治癒が可能になるのだろうか。

さらなる開発を期待。_φ(・_・









にほんブログ村 病気ブログ 乳がんへ