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看護師であり乳がん患者でもあります。家にいるにゃんず3匹と、仕事の話、お金の話、乳がん治療のその後の話など、日常のアレコレを記録していきます。
2011-12-06 (火) | 編集 |
すみません、長文です。

先週録画していた水谷豊の『相棒』を見ていたら、成人T細胞白血病で妻を亡くした研究者がでていた。
ドラマのなかで研究者は、妻が成人T細胞白血病で死んだ事実を、娘に話せないでいた。

成人T細胞白血病は(HTLV-1)というウィルスのキャリアに発症する白血病で、母子感染(母乳による)である。
研究者は、娘もHTLV-1キャリアであることが言いだせなかった。
(娘も白血病になる可能性がある、という事実を言えないでいた)

ドラマを見てずっと忘れていた大昔の事を思い出した。

HTLV-1キャリアの産婦さんがいた。18年位前のこと。

夜勤、明け方4時ごろ産婦人科医から電話の着信があった。
こんな時間の電話は、緊急帝王切開の依頼に違いなかった。

やはりそうだった。
私ともう一人の先輩看護師(夜勤は2人勤務)で、帝王切開の手術の準備を大至急始めた。
そして数十分後、産科の助産師・看護師・産婦人科医とともに、大きなお腹の産婦が入室してきた。
みんな慌てていた。赤ちゃんを助けないと。

先輩看護師が間接介助で、私が器械出し看護師(直接介助)についた。
器械出し看護師とは、ドラマなんかで、術者に『メスッ』って言われて、『ハイッ』って隣でメス渡してる看護師の事ね。

麻酔がかかり、手術が始まり10分もしないうち、すぐに赤ちゃんが取り上げられた。
赤ちゃんは助産師に鼻と口を吸引され臍帯(へその緒)の処置をされ、保育器に無事に収容された。
元気に産声をあげている。
赤ちゃんが無事なのを確認すると、ホッとする。(まだお母さんの腹は開いているけど)

裂けている子宮を、術者は太い手術用縫合糸でどんどん縫合してゆく。
その時、術者が戻した縫合用の針が、私の指に当たってしまった。
ブスリ、、、、と。

わたしの指もジワーッと出血してしまう。
私の手術用手袋を交換し、刺さった針も交換し、手術は続行されたが、術者からその後予想外の事実を知らされる。
(その頃は、赤ちゃんと対面した褥婦さんは麻酔でもう寝ています、、、)

『このお母さん、HBプラスで、ATLも持っているのよ』
えええぇぇ~~
聞いてないよ~~(私の心の声)

HBプラスと言うのは、B型肝炎ウィルスキャリアーのこと。
手術で使用した針が刺さることによって、医療者に感染する。感染すると数日で劇症肝炎を発症することもある。
それで命を落とす恐れも。
また、感染によって将来肝硬変・肝臓癌になることもある。

ATLとは、HTLV-1キャリアの事を言っていた。
関東では珍しい。  九州地方に多いらしい、、、、、。
ダブルでウィルスを持っている患者さんは関東では珍しいのだ~。
とくにうちの手術室では滅多にお目にかからなかった。

そののち、すごく落ち込んだ。仕事で針を刺してしまった事。
ウィルスが自分に、感染してしまうかも知れない事。

翌日血液内科に受診して相談したら、
『HBの方は、B型肝炎予防ワクチンを以前に受けているようなので抗体があり、大丈夫でしょう。』
『HTLV-1は感染しているかも知れないので、1年間妊娠しないように』ってお達しが下ってしまった。

当時結婚しててまだ子供がいなかった時期だったので、すごくショックだった。
医療従事者の自分と結婚したせいで、こんな事になってしまい、旦那に子供産んであげられない、、、私の職業のせいだ、、、、、と。
私が悪いんだ、、、と落ち込みました。


当時は1年間がすごく長く感じられて、、、、

今、こうやって思い返してみれば、あっという間なんだけど、、、、、
当事者にしてみれば、ものすご~く長かったのよね。


乳癌の治療も私含めて、5年かかる人多いよね、、、
でも、きっと、あっという間だよ、、、、あとで思い返すとね。

きっと、、、、ね




と、、、急に話をまとめてしまいました。
長文にお付き合いいただきありがとうございます。



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誤解を招かないように
 注)HTLV-1キャリアーだからと言って、全員が成人T細胞白血病を発症する訳ではありません。
   発症するのはごくわずかです。
   また母子感染は母乳を禁止することによって、お母さんから子供への感染は防ぐことが出来ます。




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